蝉丸Pのこれくしょん(仮)

その14:大日如来
2014年07月13日

【大日如来】

梵名 マハーヴァイローチャナ(Mahavairocana)
密号 遍照金剛(へんじょうこんごう)
シンボル 五輪塔・如来頂相(ごりんとう・にょらいちょうそう)
真言 ノウマクサンマンダ アビラウンケン
胎蔵界 オン アビラウンケン
金剛界 オン バザラダトバン

改めて大日如来を解説しろと言われると、なかなか難しいモノがありますが
日本の真言密教に於いては教主(きょうしゅ)と位置づけられており

摩訶毘盧遮那如来(まかびるしゃな)と云い、摩訶は大きい・毘盧遮那は
光があまねく全てを照らすの意味から、大遍照如来(だいへんじょうにょらい)
または最高顕廣眼蔵如来とも訳されたりしますが、通常は大日如来と呼ばれます。

仏教における仏像や信仰の多さも、この「仏像これくしょん」の考え方も
そもそも密教とはなんぞや?お釈迦さんが開いた仏教とは違うのか?
という事を抜きには語れないコンテンツとなっていますから

その辺の説明を…と、書き始めたら〆切オーバーの大惨事になったので
そちらは後日テキストを分けて掲載することといたしますが

端的に申しますと、「悟り」を開いて解脱の方法を発見したのはお釈迦さんですが

お釈迦さんに発見される前から「悟り」は存在してたんだよ!(ナンダッテー

というのが密教系で、真理そのものとお釈迦さんを分離したのが特徴となります

量子なんたら的には「観測された時に振る舞いは決定する」そうですが
観測する人間のあるなしに関わらず「悟り」は存在するもんじゃろ?と
「悟り」そのものを擬人化したのが大日如来という位置づけになります

お釈迦さんに付随する形で「悟り」があるのと、まず「悟り」があって
それを発見・体得したものがそれぞれの世界線ごとに無数に存在しているとでは
キャラクター展開能力が段違いになる訳でして

真理の形は時と場合によって見え方を変化させて表れるし
全ての存在は真理の一側面であると考えますから、全ての存在は大日如来の
変化した姿なので、無数の仏さんが存在していても喧嘩になりません

多神教のパンテオンのようで、実は「全部大日如来!」というのは便利な話で
仏に限らず諸々の存在についても「本来は清らかだけど汚れまくってる状態」から
グラデーションをつけて「これ以上ないくらい清浄な状態」まで説明できるので

国や土地ごとの信仰を取り込みやすく、日本では神仏習合の基本思想として用いられ
大日如来=天照大神とすることによって、後の神道祭祀に大きな影響を与えました

この大日如来という尊名は太陽に由来しますが
働きはそれ以上ということで大日如来の三大特徴として

除闇遍明(じょあんへんみょう)
大日如来の智恵の光は陰や日向の区別無くあらゆる人々に及ぶ

能成衆務(のうじょうしゅうむ)
大日如来の慈悲の働きは曇ることなく、支障なく平等に及ぶ

光無生滅(こうむしょうめつ)
大日如来の智恵と慈悲は昼夜を分かたず不滅である

これらの特徴があげられ、兎にも角にもスケールがでかく
宇宙そのものすら象徴しており、白や金色などあらゆる光として描かれます

また、本来は質素に描かれる如来像でありながら長髪で宝冠やアクセサリーを
多数身につけた様子は、出家仏教では虚飾として排除されているものでも
仏の智恵や徳の象徴として活用し、出家・在家の区別なく歩むという
大乗仏教の究極形を表して云々と…それこそ諸々あるんですが

万能で盛りすぎると、逆に没個性になるというのも、また一面の真理でして

一般的に大日如来そのものへの単独信仰というのは皆無に近く
一芸特化型である分身の方が大人気という寂しさもありますが

そういった毀誉褒貶を超越してあり続ける姿こそが大日如来であるとも言えます。

本企画はゲーム化を希望しております!※ちなみにまだその予定はありません。
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次回の更新は【7月25日(金曜日)19時、弥勒菩薩】です!

 

その13:仏眼仏母
2014年06月27日

【仏眼仏母】

梵名   ブッタローチャナー
密号   殊勝金剛
シンボル 仏頂眼
真言   
ノウマクサンマンダボダナン ゲン ギャギャナバララキシャネディ
ギャギャナサンメ サラバタトギャタ ビキ サラサンバベイ ジンバラ
ナモ ボギャナン ソワカ
オン ボダロシャニ ソワカ

仏眼仏母は一切仏眼大金剛吉祥一切仏母といい、略して仏眼尊・仏母身・仏母尊などと
呼ばれますが、基本的には仏眼ないし仏母と呼び習わすのが一般的となっています。

この仏眼仏母は、仏教の中でも密教で重要とされる尊格で「諸仏を生み出す母」として
また、智恵の持つ創造性や、真理を見つめる眼を表すとされていますが
密教で説かれる「真理」そのものを具現化した「大日如来」の智恵の象徴でもあります

儀軌には「如来の法界普遍の眼相を具現化して一尊となし、其の功徳絶大にして
よく諸仏を出し、三世諸仏の母の如くなれば仏眼仏母と云い、虚空眼とも云う」とあり

大疏には「虚空が障りなく、あらゆるところに行き渡るように清浄・平等であり
万物を生み出すように、虚空眼は大慈悲の普眼を以って体となし、暗夜に迷う衆生を
余すところなく観察し仏道に導くものである。金が財宝の王として世間の人を富貴に
導くように、仏眼の光は智恵の輝きによって衆生を仏道に向上増進させ安穏無畏に導く

要するに仏眼ビームを照射して対象の智恵をUP!→仏誕生!という流れであり

ある意味最強の一角でして「真理の五眼を開かせて仏性を宿らせる」という意味合いから
密教では仏像・位牌・墓石など「開眼供養」(かいげんくよう)の主尊であり

まさに「目ん玉かっぽじって仏にしてやろうか!」(意訳)という

生産系の頂点とも言える仏でもあり、また悟りの内容ごとに大日如来が転じた仏眼や
釈迦如来が転じた仏眼、金剛薩垂(こんごうさった)が転じた仏眼などバリエーションも豊富

仏教で説く「智恵」に目覚めれば仏になれますよというシンボライズではありますが
古今東西、眼というモノには聖にも邪にも通じる信仰がありますし
目は心の鏡などとも申しますから、智恵や真理を眼で表すというの普遍的でもあります。

しかし、あまりに尊い尊格であるとされ、一般の目に触れなかった事から民間信仰は薄く
眼病に効くとか、目が良くなるといった御利益は生まれなかったのが面白いところです。

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その12:摩喉羅迦
2014年06月06日

【摩喉羅迦】

梵名   マホーラーガ(Mahoraga)
密号   なし
シンボル 楽器 笛
真言   ノウマクサンマンダボダナン ガララン ガラランソワカ

 

仏教が成立してから積極的に行われてきたことの中に、土着の神を取り込むという作業があり
インドではバラモン教やヒンドゥー教のスター級の神々が仏法を守護する」という
誓い(ヴラタ)を立て、仏教ならびに仏教徒を守る守護神として祀り上げられており
護法善神(ごほうぜんじん)というジャンルが成立。

世界宗教あるあるとして「地元でヤンチャしてたけど、正しい教えに触れて更生!」的な
パターンは鉄板でして、先に紹介した阿修羅や他化自在天・婆薮大仙などもそうですが

仏教では天部(てんぶ)という土着神グループに属します。

梵天・帝釈天・弁財天・大黒天etc…など、◯◯天とつく分かりやすい尊格もあれば
今回紹介する摩喉羅伽のように天のつかない尊格もありますが

古参の護法善神として天龍八部衆(てんりゅうはちぶしゅう)に名を連ねています
八部衆はインドの鬼神・戦闘神・音楽神などが仏門に入ったグループで
初期の人外メンバーとしては最古参にあたり、釈迦直径の眷属とされています。

摩喉羅伽は休勤・大蠎神(だいもうしん)・大腹行(だいふくぎょう)などとも訳され
慧琳音義に曰く「摩休勤・古くは質朴(しつぼく)と訳す、また摩喉羅伽と名付く
これ楽神の類なり、或いは大蠎神(蠎→うわばみ)と言い、其の形は人身にして蛇首なり」

とあり、人身蛇首の姿で音楽を司り、ニシキヘビを神格化した尊格とも言われますが
大日如来の普門示現の一法門身ともいわれており(大日経疏)

天部=力はあっても悟りには至ってない土着の神々でありながら
一類の衆生は此の法によって一切智(悟り)を得るに至るなり」と説かれており
腕っ節自慢が多い天部の中にあっては珍しくインテリ気質となっています

これは名前のマハー(大きな)ウラ(胸腹)ガ(進む)が転じて
自在に進み、生死の相を転じて、涅槃に至るという解釈と蛇=龍がもつ知識の側面が
全面に押し出された結果と思われるも、悟りまで言及されるのは非常に珍しくもあります

ただ個別の信仰というものは薄く、あくまで天龍八部衆の音楽神・緊那羅(きんなら)と
セットであり、仏教系バンドとして技芸や芸能関係のご利益と認識されておりますが

えてして隠れたインテリというのは
目立たずにそっと紛れ込んでいるモノかもしれません。

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その11:豊財菩薩
2014年05月23日

【豊財菩薩】

梵名   ボーガヴァティー(Bhogavati)
密号   如意金剛
シンボル 未敷蓮華・開敷蓮華(みふれんげ・かいふれんげ)
真言   オン アリヤダラアリ ソワカ
     オン アリヤボギャバティ ソワカ

豊財菩薩は読んで字のごとく、財物の豊かさを表している尊であり
別名を資材主とも言う。大日経疏には「福徳と智慧の財が豊かで安寧と幸福を
求める者に自在に財を施与(せよ)する」と説かれている。

仏教で説かれる財とは世俗に於いては七宝と呼ばれ「金・銀・瑠璃(るり)
玻璃(はり)珊瑚(さんご)・しゃこ・瑪瑙(めのう)などの宝飾品ですが
本当に重要なモノは智慧であり、仏の説く法(ダルマ)であるとされており

本来、仏像が持っている如意宝珠や宝飾品は全て「貴重な仏の教え」の比喩表現です

とは言え、我々の住んでいる世界では「先立つモノ」が無いのは「首が無いのと同じ」
などと表現されるように、まず衣食住が足りなければ悟りを求める心は起こりにくいのも
事実であると言えますが、豊かになったらなったで、得たモノを失うのではないかと
不安に苛まれ、人間関係も疑心暗鬼
になって苦しむのは今も昔も変わらずでして

有暇具足(うかぐそく)という仏教の修行に適した条件というのは
まず、生まれる場所や時代の八難(はちなん)を避けなければならず
十具足(じゅうぐそく)と呼ばれる仏教が行われているかどうかという
環境や心的要因が十分で無いと実践が難しいとも言われております。

ただ、上記の八有暇・十具足は衣食住や財物などの話ではありませんし
物質的に足りていようがいまいが、仏道に励む人間としない人間が分かれるのは
公共マナーと同じ
ようなもので、世の中かならずしも

倉廩(そうりん)満ちて礼節を知り、衣食足りて栄辱(えいじょく)を知る

とならないのは、歴史の示す通りではありますが
世俗の財物も、仏道を志す智慧も無いよりはあったほうが色々と楽なのは確かなので

そういった環境を整えたいという人間の願いに応じて与えようとする
仏さんが居るのは有り難い話
でもあり、必然でもあるかなと
(加えられた力を受け取って維持できるかどうかは本人次第ですが)

豊財菩薩の持つ、華が開いた蓮華は仏の智慧という財物、華の閉じた蓮華は
衆生がもつ仏種、つまり可能性という財物を表しています

神仏への願いというのは必要に応じた財物を願い、余裕ができた暁には
自らが与える側に回るという心持ち
でおりますと叶いやすいとも申します

得ようとするだけでは無く、与えるというバランスも重要なのだと痛感する次第

(2-2で浜風を待ちながら)

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その10:他化自在天
2014年05月02日

 

【他化自在天】

梵名   パラニルミタバシャヴァルテイン(paranirmitavasavartin)
密号   無し
シンボル 弓箭(きゅうせん)
真言   オン ハラニラミタラチビャク ソワカ

仏滅後にインドで成立した阿毘達磨倶舎論(あびだつまくしゃろん)という経典がありまして
お釈迦さんが入滅した後の仏教教団が蓄積してきた哲学的議論などをまとめたものですが
世界観のまとめなども含まれており、ブッダワールドガイド基本設定集という趣きがございます。

その中でも三界(さんがい)という基本的な分類があり、有情(うじょう)=命のあるものが
住む世界は大きく欲界(よくかい)・色界(しきかい)・無色界(むしきかい)の三つで

欲界は名前の通り色欲・財欲・貪欲など欲望に捉われている世界とされており
八大地獄・四大州(餓鬼・畜生・人間)六欲天(低位の神々)の十八に餓鬼(がき)と動物を
別に数えて二十から成っていると説かれています(分別世間品第三)。

その中で天=神々の世界は欲界→色界(食欲・婬欲を離れる)→無色界(精神作用のみ)と
上に行くほどアクが抜けていくようなものですが、欲界の六欲天あたりですと
人間よりは凄いけれども、まだまだ欲に振り回されるという感じで
人間で例えますと中学生以上・社会人未満な趣きで、青春スーツ着用中という(でも力はある)わりと困ったちゃんがウロウロしていたりする感じでしょうか。

その六欲天の最高到達地点が他化自在天であり、ここには第六天魔王もしくは
天魔波旬(てんまはじゅん)の名前で有名な波旬(papiyasu・パーピーヤス)が居り
この魔王はお釈迦さんが悟りを開くときに、娘である天魔・煩悩魔・死魔・蘊魔を
差し向けて、あれこれと妨害したものの相手にされずプライドをへし折られたワケですが
曼荼羅で他化自在天とされているのは、長女の天魔であるとされています。

特徴としては六欲天より下の存在が創りだした快楽や欲楽を自分のものとして
自由に享受できるという特技があり、我々が感じる楽しみも知らない間にこっそりと
ハッキングされているかもしれません、智度論(ちどろん)という論書には

他の喜びを奪い、自ら娯楽するがゆえに他化自在天という」などとありますので

ある意味、ワインやウィスキーの蒸発分をちょろまかす欧米の天使の連中より
上前をはねるジャンルが広いので、迷惑と言えますが我々には気づきようがないので
害のあるような無いようなという存在ながら、密教では悟りや他者の喜びを素直に祝うので
見習うべきところはあるとして、曼荼羅に配置されております。

他人の幸福や喜びにケチをつけるよりは、素直に祝っておこぼれに預かるというのも
ある意味、正しくも難しい選択であるというのが浮世の厄介なところでしょうか。

シンボルである弓と箭(や)は、獲物である快楽に狙いをつけて接続するインターフェースで
美味しいところだけを攫っていく不◯子ちゃん的な存在と申せましょう。

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